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福岡県水道修理隊

用語説明

樋門
樋門は、水道工学や水利工学において用いられる重要な構造物の一つであり、水を調節し、流れを制御するための門です。樋門は水路や河川、ダム、灌漑など多くの場所で使用され、水量の調整や洪水制御、灌漑などさまざまな目的に応じて設置されます。以下に、樋門に関する詳細な情報を提供します。

1. 樋門の基本概念
1.1 目的と役割
樋門の主な目的は、水の流れを制御して必要な水位や水量を維持することです。これにより、灌漑用水や水力発電、洪水防止などの様々な水利活動が可能になります。樋門はまた、水路の整備や維持管理を容易にする役割も果たします。
1.2 構成要素
樋門は通常、以下の構成要素から成り立っています。
・門体(ゲート): 樋門の中心部で、水の通り道を制御する板やパネル。水流を遮断することで水位や水量を調整します。
・支柱と軸受: 門体を支え、適切な位置に保つための構造。軸受は門体が円滑に開閉できるように支える役割があります。
・操作機構: 樋門を開閉するための機構。これには手動のクランクやギア、電動や油圧システムが使用されます。
・防漏構造: 閉じた状態で水漏れを最小限に抑えるためのガスケットやパッキンなどの構造。

2. 樋門の種類
2.1 上開き樋門
上開き樋門は、下部に取り付けられた軸を中心に上方に開門するタイプです。水流の制御を容易にし、大きな水量に対応できる特長があります。
2.2 下開き樋門
下開き樋門は、上部に取り付けられた軸を中心に下方に開門するタイプです。一般的には小規模な水路や用水路で使用され、水位の微調整に向いています。
2.3 旋回樋門
旋回樋門は、横軸を中心に回転するように設計されています。水流の制御が柔軟であり、広範囲な水位変動に適しています。
2.4 弾性樋門
弾性樋門は、弾性材料で構成された門体を使用しています。門体が水圧によって変形し、柔軟に水流を制御します。洪水時などに有用です。

3. 樋門の設置場所
3.1 河川樋門
河川樋門は、河川や小川の水位を調整し、灌漑や洪水制御などの目的で使用されます。水位の変動が激しい場所に設置されることがあります。
3.2 ダム樋門
ダム樋門は、ダムの放流口や洪水吐き口として設置され、ダム湖の水位や流量を制御します。水力発電にも利用されることがあります。
3.3 農業用水路樋門
農業用水路樋門は、灌漑用水路や排水路に設置され、農地の水管理に使用されます。水田の水位調整や灌漑量の制御に寄与します。

4. 樋門の運用と保守
4.1 運用計画
樋門の運用計画は、水利活動の要件に基づいて策定されます。定期的な点検や運転試験が行われ、必要に応じて運用が調整されます。
4.2 保守と修繕
樋門は外部環境や水圧にさらされるため、定期的な保守作業が不可欠です。これには構造物の点検、潤滑、ガスケットや門体の交換などが含まれます。

5. まとめ
樋門は水道工学において重要な役割を果たす構造物であり、水位や水量の制御、洪水防止、灌漑などさまざまな用途で使用されます。樋門の設計や運用は、地域の水利活動や環境条件に応じて検討され、安定した水利システムの確立に寄与します。



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